ものづくり補助金【デジタル枠加点解説2】DX推進指標の記載とサイバーセキュリティお助け隊サービスの活用で加点を狙う

ものづくり補助金14次公募のデジタル枠は、3つの基本要件に加えて5つの加点項目があります。①ではAからCに関して説明をいたしました。ここでは、DとEに関してご説明いたします。

加点項目Dは、下記の通りです。

「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」(688~690 行目/Ver.2.3 以降の場合はシート「IT システム構築の取組状況(定量指標)」の 11~13 行目)を全て記載。

引用元:ものづくり補助金14次公募要領p34

D.「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」(688~690 行目/Ver.2.3 以降の場合はシート「IT システム構築の取組状況(定量指標)」の 11~13 行目)を全て記載

この加点項目は、デジタル枠追加要件(2)に相当する、

経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。

に関連しております。基本要件で提出する「DX推進指標」とは、リンク先からダウンロードできるエクセルですが、そのなかにITシステム構築の取り組み状況(定量指標)というシートがあります。

指定された11~13行目には、人材に関する項目が3つ、DX人材(事業)の数、DX人材(技術)の数、DX人材育成の研修予算、が並んでいます。

基本要件では定性的な目標を入力するだけでよいのですが、加点項目ではこのシートに具体的な数値を入力する必要があります。

そして、それぞれの項目には、現在値、目標値、算出方法/エビデンス等、アクション内容を記載する必要があります。

シートの説明を見ますと、DX人材(事業)の数では、「事業部門などにおいて、顧客や市場、業務内容に精通しつつ、データやデジタル技術を使って何ができるかを理解し、DXの実行を担う人材の数と3年後の目標値」を、DX人材(技術)の数には、「デジタル技術やデータ活用に精通した人材の数と3年後の目標値」を検討する必要があります。

なかなかイメージがしにくい場合は、IPAのウェブサイトにある、デジタルスキル標(別サイトに飛びます。)が参考になると思います。

デジタルスキル標準では、DXリテラシー標準と、DX推進スキル標準を定義しており、前者は経営者を含むすべてのデジタルパーソンが身に着けるべき能力・スキルを指し、後者は具体的な専門スキルを5つの類型に分けて定義しています。

5つの類型とは、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティを指します。

各類型の詳しい定義はウェブサイトを参照されるとよいと思いますが、定量目標で求められている人物像として、DX人材(事業)としては関係者をコーディネートするビジネスアーキテクトが、DX人材(技術)としてはDXの設計を担う他の専門分野を担う、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティが相当するのではないかと思います。

これらの人材像を参考に、このようなスキルを持った現在の人数と、3年後の目標人数を検討してみましょう。

DX人材育成の研修予算では、DX人材を育成するための研修予算と、3年後の目標値を検討する必要があります。

上記の人材を育成するために掛ける予算規模はどれくらいでしょうか。例えば、パーソナル&テクノロジー株式会社がまとめた「DX・デジタルトレンド調査2022」で、従業員100人以上の企業に勤める20代から60代の会社員・経営者1000人に行ったアンケートによると、最も多かったのは1人当たり10万円から50万円未満(22.8%)、次に50万円から100万円未満(16.9%)という結果でした。

もし、人材育成に関して現時点では予算の検討をしていない場合、これらの調査結果から検討してみるのもよいかもしれません。

また、教材としては、IPAがマナビDXというウェブサイトを開設しています。

ここは、経済産業省の審査基準を満たしたDXに関する講座を探し受講することができるポータルサイトで、無償の講座が多く登録されています。

もし、DXに関する情報をこれから収集する、まずは費用をかけず内容を検討してみたいという場合、こちらの講座は参考になると思います。

優勝の講座に関しても、費用感を確認できるでしょう。

E. 申請時点において、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を利用しているか。

最後の加点項目Eは、下記の通りです。

申請時点において、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を利用しているか

引用元:ものづくり補助金14次公募要領p34-p35

サイバーセキュリティお助け隊サービスとは、既定の基準を満たしたセキュリティサービスで、経済産業省によると、

中小企業にUTM、EDR等のセキュリティ監視ツールを設置し常時の異常監視を行うとともに、①相談窓口による導入・運用に関するユーザーからの各種相談の受け付け、必要に応じて②リモートでの支援や③駆けつけ支援などを実施。

引用元:サイバーセキュリティお助け隊について(経済産業省)

するものです

IPAが、登録企業やサービス内容、価格をリスト化していますので、興味があれば加入を検討してもよいと思います。

リソースが少ない中小企業においても、導入が簡単で安価(ネットワーク一括監視型は月額1万円以下、端末監視型は1台当たり月額2,000以下など)に提供されております。

ウイルスソフトやファイヤーウォールだけでは防ぎきれないサイバー攻撃を、UTM(複数のセキュリティ機能を一元化させたもの)や、EDR(サイバー攻撃を受けたことを発見し対処するソフトウェア)を導入し、仕入先や顧客にアピールすることで信頼を得ることもできると思います。

大阪商工会議所の調査によると、調査対象となった中小企業30社すべてでサイバー攻撃につながる不審な通信が認められ、さらに調査対象企業の25%が取引先がサイバー攻撃を受け、影響が自社に及んだ経験があるとのことでした。

私が補助金の申請支援をしたお客様も、メールアカウントが乗っ取られて業務が滞ったことがありました。

サイバー攻撃は身近なものになっていますので、この機会に加入されるのもよいと思います。

以上、デジタル枠の加点項目について解説を行いました。

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