【相談事例】コンサルタントから次回公募締切に間に合わないという連絡があったときは?

相談者:
他のコンサルタントに支援を依頼していたのですが、1か月ほど連絡がなかったうえ、締め切り直前になって「次回公募にて申請しましょう!」と提案されました。どうしたらいいでしょう。
回答:中小企業診断士

お問い合わせありがとうございます。残念ながら納期を守らないコンサルタントは実際に存在しております。特に、ものづくり補助金が通年公募になった2019年や、事業再構築補助金が開始された2020年から、そのような事例が増えてきているようです。公募要領にも、悪質なコンサルタントに注意するような文言も記載されるようになりました。補助金支援の需要が増え、コンサルタントの負荷が増えたことが理由として考えられるのですが、以前より補助金支援を手掛けてきた、経験が豊富なコンサルタントはそのような初歩的なミスは犯しません。

おそらく、補助金支援の経験が浅いコンサルタントが多く参入し、自分のキャパシティを超える受注をしてしまい、締切に間に合わなくなってしまったのでしょう。

補助金申請で最も重要なことは、公募締切に間に合わせることです。申請が遅れると、それだけ事業者様の機会損失になります。引き続き同じコンサルタントに依頼しても次回も締切に間に合う保証はありません。そのようなプロ意識に欠けたコンサルタントはいずれ淘汰されますので、今回で見切ってしまうことをお勧めいたします。

さて、新しいコンサルタントに依頼すると決めた場合、どのような点に注意して決めていけばよいでしょうか。

別記事「補助金コンサルタントの選び方」では、コンサルタントの採択実績や業務範囲、価格の3点を挙げ、コンサルタントの選定基準をお伝えしました。

今回は、そのようなコンサルタントを見つけたあと、コンタクトを取り、正式な契約に至る一歩手前の、初回面談で確認すべき3点をご紹介したいと思います。

① 契約書を交わすかどうか

② 申請書作成支援の着手時期

③ 話していてフィーリングが合うか

① 契約書を交わすかどうか

一般的には、なにか業務を依頼する場合、コンサルタント業務委託契約書を締結します。

ただ、契約書を取り交わさず、口頭で済ましてしまうケースもあります。口頭だと業務範囲や着手金や成功報酬などのコンサルティング対価や支払時期が不明確になり、トラブルになることがあります。

メールだと文章に残りますが、文面によっては両者の合意がなされたものかどうか、あいまいになることがあります。きちんとした契約書を取り交わすことで、誤解や誤認などを防ぐことができます。必ず、契約書を取り交わしましょう。

なお、近年はオンラインで契約を済ませるのが主流となっております。

② 申請書作成支援の着手時期

申請書作成支援に関してはどうしてもある程度の時間は生じます。

当社でも、1時間から1.5時間のヒアリングを3回から5回程度行っており、採択に相当する品質に仕上げるためには、1件に掛ける時間は50時間程度に必要です。

もちろんコンサルタントの能力や、その得意分野によって、必要となる時間は大きく異なりますが、少なくとも、公募締切まで十分な時間がなかったため次回締切で申請したい、という言い訳はさせないようにしましょう。

したがって、公募締切から少なくとも1か月前には、ヒアリングができるように、必要書類の準備やスケジュールの確認をしておけば十分だと思います。

③ 話していてフィーリングが合うか

おそらく、これが一番重要な判断要素だと思います。

コンサルタントとは、少なくとも申請前から補助金受給までは1年ほどかかり、またその後毎年1回の事業化報告があるため、長期間の付き合いになります。

なんとなく波長や雰囲気が合わない、上から目線で指示ばかりして態度が尊大、メールのレスポンスが遅すぎる、などのトラブルがあると、途中で契約を打ち切ってしまうかもしれません。

そうすると、他のコンサルタントを探すか、支援なしで申請業務や報告業務などを行わなければならなくなり、事業者様の負担が増えてしまいます。そうならないためにも、初回の無料相談の場でコンサルタントの雰囲気や考え方、進め方を確認しましょう。そして、契約はその場ではなく、後日改めて検討して判断することをお勧めいたします。

補助金申請は事前に試すことが難しい

補助金支援業務はサービス業務なので、物品とは異なり事前に試してから購入することは難しいです。

したがって、支援業務に着手してからトラブルが生じることも少なくありません。

今回の相談事例の他にも、契約後、コンサルタントから提示されたヒアリングシートに記載して提出して数週間たったがヒアリングの打診もなく、公募申請間際になって進捗を尋ねてみたら、ヒアリング内容がそのままコピペされた粗末な事業計画書を渡された(当然不採択)、無事採択され交付申請手続きの支援をお願いしよう思ったら、なぜかコンサルタントの態度が急変し成功報酬だけ執拗に請求され支払ったら一方的に契約を打ち切られたなど、非常識なコンサルタントがいるのは事実です。

ちなみに、どちらも当社に相談が寄せられたためフォローを行いました。

事業者様の強い意志がないと採択には届かない

当社では、初回の面談は無料で行っておりますが、その場で即契約を迫るようなことや売り込みはしません。

なぜならば、補助金の申請業務は事業者様の協力が必要であり、事業者様の強い意志がないと採択には届かないからです。

あくまでも、採択の可能性についてアドバイスをさせて頂いており、補助金申請に挑戦し当社の支援を必要とするかどうかは、事業者様の判断にお任せしております。もちろん、当社にお決め頂く場合は契約書を取り交わしてから着手いたします。

ただ、事業内容のページでも紹介している通り、当社は代表が1人ですべて業務を行っておりますので、代表のキャパシティには注意をしており、品質を確保するためにも1クールあたり3件程度に抑えております。

いずれにせよ、悪質で不誠実な補助金コンサルタントに引っかからないよう、ご注意ください。

補助金に関するお問い合わせ
  • 初回相談は無料です、お気軽にお問い合わせください。
  • お問い合わせの内容を確認して、弊社代表よりご連絡いたします

    ページトップへ戻る