【相談事例】マシニングセンタなどの工作機械は対象となりますか

相談者:工作機械の販売代理店
弊社は工作機械の販売代理店です。弊社の顧客がマシニングセンタを導入する予定です。ものづくり補助金の申請を検討しているのですが、マシニングセンタは対象となるでしょうか。また、機械本体の他に輸送費や、据え付け費は対象となりますか。

回答:中小企業診断士

はい、ものづくり補助金の対象となる経費のうち、マシニングセンタは機械装置・システム構築費に相当しますので、補助対象経費となります。また、メーカーからお客様に事業所までの輸送費や、設置費用も対象となります。マシニングセンタ以外も、旋盤やベンディングマシン、研削機、CAD/CAMやパレットチェンジャーなどの工作機械や設備は対象となります。ものづくりに携わる製造業のための補助金といっても過言ではないでしょう。

ただ、採択されるためには、その工作機械を導入して「革新的」な取り組みを行う事業計画を立案する必要があります。つまり、設備が老朽化したから購入する、という計画は認められないのです。革新的な取り組みといっても困りますよね。でも、大きな設備投資なので、なにかきっかけがあるはずです。例えば、このような背景に心当たりはありませんか。

取引先から新規受注の引き合いがあるが現状の工作機械では精度を満足できないので困っている、受注量が急増しており段取り替えがボトルネックになっている、切削加工だけではなく組立や研削など新しいサービスに取り組んでみたい、外注費を削減するため内製化に取り組みたい、など、なにか新しいことに挑戦しようとしていらっしゃいませんか。自社がこれから初めて挑戦してみようと思っている取組、それが「革新的」な取り組みとなる可能性があります。一方、自社にとって初めてであっても、それが革新的であることを示すのは不十分です。革新的な取り組みであるかどうかは、自社、競合、市場の3つの視点から考えてみることをお勧めいたします。それでは、詳しく説明していきましょう。

1. 自社の視点

自社にとって初めての取り組みであることは、革新性を述べるうえで重要な要素です。

ものづくり補助金では次に述べる4つの背景を理由として設備投資を行うとすると、事業計画を立てやすくなります。

それは、

① 新商品開発のために購入する
② 新しい生産方式を構築するために購入する
③ 新たなサービスを開発するために購入する
④ 新たな提供方式を導入するために購入する

の4つです。

先に述べた例で、「取引先から新規受注の引き合いがあるが現状の工作機械では精度を満足できないので困っている」場合は、①に相当します。

「受注量が急増しており段取り替えがボトルネックになっている」場合で、加工工程の集約や自動化運転を目指すのであれば②になるでしょう。

マシニングセンタを導入すると、御社にとってどのような効果があるかを考えてみましょう。

2. 競合の視点

もしこれから取り組もうとされている事業が、競合企業はまだ取り組んでいなさそうな場合は、その事業は革新的だと言えるでしょう。

ただ、すでに同様のマシニングセンタを導入している競合も多いと思います。

特にマシニングセンタなどの工作機械の場合は、購入して稼働すればそれが加工能力に直結します。競合企業が導入済みの設備を導入しても、競合企業に追いついただけ、と審査員に判断されるかもしれません。

この場合、すでに御社で構築しているリソースに注目してみましょう。例えば、品質・コスト・納期などの技術力はどうでしょうか。

人員や販路、協力企業との連携という組織面ではどうでしょうか。すなわち、御社の強みに注目してみましょう。ただ最新の機械を導入しただけでは革新とは言えません。

設備と御社の強みを掛け合わせてどのように差別化できるかを訴求する必要があります。

3. 市場の視点

これから取り組もうとしている事業は、顧客や市場のニーズはあるでしょうか。

もし、取引先から新規開発案件や発注増加の引き合いが得られているなら、それはニーズがあるといえます。

市場ニーズの有無の検証は、企業が消費者に行っているアンケート調査や、総務省などが行っている統計調査から対象とする市場の伸びなどを確認します。

利用者の増加や市場拡大は、市場ニーズがあると考えてよいでしょう。

また、政府が重点的に取り組もうとしている分野に関しても、市場ニーズがあるといえます。

例えば、カーボンニュートラルによる脱炭素化を目指した技術の活用やデジタルトランスフォーメーションによる生産性向上は、注目されている分野です。

また、地域活性化に伴う地域経済の発展や雇用による地域貢献も、地域社会のニーズとなるでしょう。

ものづくり補助金の趣旨は、「中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援」です。

自社だけではなく、競合・市場にとって革新的であることを訴求した事業計画を立ててみましょう。


当社では、事業者様とのディスカッションを通じて、御社の強みや課題を整理し、事業計画を立案するサポートをしております。

マシニングセンタでも、3軸、4軸、5軸など様々な種類のものがあります。どのような特徴を持った設備を導入したいか、そして導入することでどのような効果があるかを教えて頂ければ、それを軸にいろいろなアイデアを出すことができます。

是非お気軽にご相談ください。

補助金に関するお問い合わせ
  • 初回相談は無料です、お気軽にお問い合わせください。
  • お問い合わせの内容を確認して、弊社代表よりご連絡いたします

    ページトップへ戻る