補助金を申請するためには、どのような書類を準備し、手続きを進めていくことになるのでしょうか。
人気で採択難易度が高い設備投資系の補助金である、「ものづくり補助金」の場合を例にとってみましょう。
1 | 公募要領の内容を確認し、自社が公募要件を満たしているか確認します |
---|---|
2 | 決算書や見積書などの必要書類を準備します |
3 | 審査項目に沿った、事業計画書を作成します |
4 | 電子申請画面にて、必要情報を入力し期限までに応募申請します |
5 | 採択発表後、交付申請を行います |
6 | 交付決定完了後、設備の発注を行います(「補助事業」の開始) |
7 | 補助事業を完了したら実績報告書を提出します |
8 | 報告書の内容や伝票書類に問題がなければ、補助金が受給されます |
9 | 補助事業完了後5年間、毎年春に事業の進捗度合いを報告します(事業化状況報告) |
1公募要領の内容を確認し、自社が公募要件を満たしているか確認します
補助金にはかならず、「事業の目的」があります。すなわち、この補助金が設立された背景や目的が書かれていますので、申請する事業はこの目的に合致している必要があります。
事業者の経営状況を確認するために決算書が、設備投資金額の裏付けとなる見積書を用意します。また、加点項目である、経営革新計画や事業継続力強化計画が承認されていれば、それらも準備します。
公募要領にある「審査項目」を満たした事業計画書を作成します。読み手である審査員が理解しやすいストーリーを組み立てることが必要です。
電子申請か郵送での申請になりますが、ものづくり補助金の場合はすべて電子申請です。電子申請画面にログインするために、gBIZ IDと呼ばれるIDを事前に登録申請しておく必要があります。
首尾よく採択されても、直ちに補助金が振り込まれるわけではありません。交付申請手続きと呼ばれる、事業で生じる経費の申請を行います。経費の妥当性を証明するために、相見積もりが必要なことがあります。
交付決定通知を受け取ったら、補助事業の開始です。交付決定後10か月以内に、発注、納品、支払、試運転、評価を完了することが必要です。その期間を補助事業期間といいます。
設備の評価が終わったら、それらを実績報告書にまとめます。見積書や注文書などの経理伝票もまとめて、一式提出します。
事務局が実績報告書一式を受理し、問題がなければ補助金額(受給額)が確定します。振込先の口座情報などを申請し確認されると、口座に補助金が振り込まれます。
補助金が振り込まれても終わりではありません。補助金を活用して事業計画書通りに事業化が進んでいるか、毎年報告する義務があります。報告は毎年春に行い、5年間続きます。
補助金の受給までには多くの事務手続きが必要
いかがでしょうか。補助金を申請して採択されるとすぐに補助金が振り込まれるわけではなく、交付申請や経理伝票の整理、実績報告書の提出など、多くの事務手続きが必要になります。
補助金業務は、①書類準備から応募申請まで(上記1-4)、②交付申請から補助金受給まで(上記4-8)、③毎年の事業化状況報告(上記9)、の3つのフェーズに分けることができます。①では事業計画書の作成と応募申請、②では交付申請や書類の整理、実績報告書の作成、③では事業実績の確認、が主な支援内容となります。
補助金の専門家に依頼する場合はその支援範囲が、応募申請までか、交付申請までか、補助金受給までか、あるいは事業化状況報告までか、次に着手金や成功報酬の支払い時期はいつか、そしてその金額は適切か、などを確認する必要があります。
また、採択後から補助金入金までに1年弱かかることがありますので、コンサルタントに成功報酬を支払する時期についても注意が必要です。