当社にはこれまで様々な相談が寄せられました。その一部を紹介いたします。
1ヒアリングで適切な補助金を案内したケース
不動産業を営むお客様から、新事業として地域の起業家や事業主が利用できるバーチャルオフィス事業を始めたいというご相談がありました。必要経費として、内装工事費や広告宣伝費、機械設備を検討していらっしゃいました。ビジネスモデル転換が目的である「事業再構築補助金」は公募条件である売上減少要件を満たしておらず、「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」では内装工事費が計上できなかったのですが、ちょうど神奈川県の「神奈川県中小企業・小規模企業感染症対策事業費補助金」の公募が始まる見込みで、目的や申請対象経費が一致しましたのでご案内いたしました。公募開始から締め切りまで短い期間でしたが、綿密なヒアリングを重ねて事業計画書作成と申請作業のご支援をさせて頂き、無事採択。
お客様の中には「この補助金を使って事業を拡大したい」と事前に調べて相談される方や、「今考えているアイデアがあるのだがどのような補助金や制度を活用したらよいかわからならい」という方もいらっしゃいます。当社では、その内容を十分に伺った後、そのタイミングで適切な補助金をご案内・ご説明し、お客様に検討し、お客様にて決めていただいております。
2不採択の事業計画書を見直し採択に至ったケース
過去2度「ものづくり補助金」にチャレンジされており、補助金専門のコンサルタントに依頼しても不採択が続いた動物病院の獣医師さんがいらっしゃいました。ヒアリングを行うと、やりたいことや設備投資の目的が明確で、ものづくり補助金の趣旨に合う事業計画でした。
過去不採択の事業計画書を拝見すると、審査項目は網羅されているのですが、一般的な動物病院が抱える課題のみが書かれており、先生の熱意が十分に伝わっておらず、先生の想いと計画書の内容にギャップがあるように見受けられました。おそらく、設備投資する機械が一般的なものだったので、担当したコンサルタントも普遍的な内容でしか作成支援できなかったのではないかと思いました。しかしさらに先生に伺ってみると、そのコンサルタントは顔合わせも含めて1時間程度のヒアリングを1回行い、その後申請直前に1回だけ確認の連絡があったとのことがわかりましたので、ヒアリングの深堀が十分できておらず、事業計画の魅力を十分に引き出せていなかったことが真の原因だと考えられました。
改めてヒアリングを行い、先生の想いを十分に引き出せるよう事業計画書の作成支援を行った結果、1回で、かつ審査基準が難しい「新特別枠」での採択が決まりました。
当社では、標準で1時間×3回以上のヒアリングを行っています。回数を重ねることで、お互いに信頼関係を構築できるようになります。そうすると事業者様が話しやすい環境が生まれ、インターネットでは入手できないリアルで生々しい話も伺えますし、当社にとってもお客様の高い専門性や本質的な課題を探しだすことができます。そのようなお話が伺えれば、事業計画に独自性がでます。材料が揃えば、分かりやすくまとめるだけですので、専門知識がない補助金の審査員に対しても、高評価を得ることができると考えております。
3事業計画書を融資に活用したケース
新規事業を始めようと、1億円を超える最新型の設備導入を検討していらっしゃった製造業の事業者様のご支援をしました。社運を賭けた新規事業でしたので、ものづくり補助金のご提案とともに、経営革新計画(都道府県知事に新規事業計画を作成し申請・承認を得ることで、「やる気のある中小企業」と認められ、金利優遇や税制措置等、様々な特典が受けられる施策)の取得を提案し、申請支援を行いました。
経営革新計画が承認され、ものづくり補助金にも採択されたのですが、新型コロナウイルスによる影響が表れ始めた時期でしたので、手元資金を残し融資による資金調達を考えるようになりました。そこで、経営革新計画で作成した事業計画書を金融機関への説明用として融資に使えないかというご相談を受けました。
実は、補助金申請用の事業計画書と、融資相談用の事業計画書は、同じ「事業計画書」という名前がついておりますが、前者は審査項目を満たしているか、後者は貸したお金が返ってくるか、という観点で見られるため目的が異なりますので記載内容も異なります。また、金融機関は財務内容だけではなく、「事業性評価」と呼ばれる、事業の内容や成長可能性に重きを置いた評価を行っています。したがって、企業の中期経営計画書に相当し、かつ都道府県知事から認定のお墨付きを受けた経営革新計画の事業計画書が、融資相談時の有効な資料として活用できます。
加えて、金融機関の担当者がその上司に提出する稟議書を書きやすくなる書類の作成支援をしました。融資審査はスムーズに進み、1億円を超える融資の引き出しに成功しました。
その他の事例
5軸マシニングセンタの導入で電気自動車の部品加工に参入
概要 | 電気自動車用部品の試作加工の引き合いが増加、既存設備と生産工程では要求精度が出ず、5軸マシニングセンタを導入。段取替え回数を削減して精度向上を実現しました。 |
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業種 | 金属部品製造業 |
導入設備 | 5軸マシニングセンタ |
補助金額 | 1,000万円 |
最先端の金属積層装置を導入し航空機部品加工事業へ進出
概要 | 内燃機関自動車市場の縮小を見越し、航空機部品加工事業への参入を目指して、最先端の金属積層造形装置を導入。従来の切削加工技術では困難な形状を実現し、技術構築を進めています。 |
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業種 | 生産用機械器具製造業 |
導入設備 | 金属積層造形装置 |
補助金額 | 1,000万円 |
レーザースキャナー型測量器械の導入で測量プロセスを革新化
概要 | 国が推進するi-constructionを見据え、レーザースキャナーを活用して測量プロセスを革新化。従来の半分の測量期間で数十倍の測量データの取得を実現。他社と比較して圧倒的な優位性を構築しました。 |
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業種 | 測量業 |
導入設備 | レーザースキャナー型TS |
補助金額 | 600万円 |
耳道内検査・治療体制の構築により2次医療機関レベルのサービスを実現
概要 | 犬猫の耳内はL字型で曲がっており目視や耳内鏡では確認が困難で治療には専門設備が必要。これまで2次医療機関を紹介していたが、最先端治療器具導入により院内で検査・治療が完結する体制を整えた。 |
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業種 | 動物病院 |
導入設備 | 半導体レーザー、デジタルオトスコープ |
補助金額 | 600万 |